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事業性評価士コース

 

コース 事業性評価士コース
回数 第1回
授業科目名

「見えざる資産(知的資産)」とは何か

担当者名 古賀智敏
授業方法 オンデマンド
授業概要

【本講義の目的】本講義は、事業性評価について単に金融機関の目利き融資のためのツールという現行の限定的な見方に対して、企業の競争力や成長力の向上を図る「攻めの経営」つまり、広く企業の新たな価値創造のための事業性評価のビジョンやコンセプト、技法を提供することを目的とする。

【本講座の内容】本講義では、事業性評価について「知的資産-イノベーション-事業性評価」の三位一体のダイナミズムとして位置づけ-事業性評価は、経営資源としての知的資産、その活用プロセスとしてのイノベーションと企業価値の創造、結果の測定・評価の一連の相互関係の中で把握するとともに、知的資産とは何か、その競争優位性の源泉について理論と実践事例にスポットライトをあてて解説する。

到達目標

 本講義においては、次の目標に到達することを課題とする。

1.企業成長ないし新たな企業価値創造を知的資産、イノベーション及び事業性評価の共創的三位一体の関係のダイナミズムのもとで把握する総合的マインドを理解できるようにする。

2.いまなぜ知的資産なのか、経済基盤の変化の中で、競争優位性の源泉としての知的資産の意義と特性を把握できるようにする。

3.知的資産が企業のイノベーションをいかに促進するのに貢献するか、理論的基盤を理解するとともに、わが国中堅・ベンチャー企業の成功事例を通じて修得できるようにする。

 

 

コース 事業性評価士コース
回数 第2回
授業科目名 海外計量評価モデルに学ぶ
担当者名 古賀智敏
授業方法 オンデマンド
授業概要  本講義は、本講座第1部、事業性評価モデル構築の基盤をなすドイ ツの将来的利益獲得能力指数(ECI)モデルの特徴と意義を学ぶことによって、日本型事業性評価モデ ルを特徴づけようとする。
 具体的には、ドイツモデルの特徴として、第1に短期、中期、長期の時間軸に即して評価要素を体系化し、第2に企業の測定尺度として定量的・財務要素と定性的・非財務要素の相互補完関係に注目し、第3に実践例によって実際の計算方法を例示する。
到達目標

 ドイツモデルの特徴を習得することによって、本講座の日本型事業性評価モデルの特徴と有効性を把握するようにする。

 

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回数

第3回

授業科目名

戦略的知的財産管理と日本企業の最新事例

担当者名

古賀智敏

授業方法

オンデマンド

授業概要
 現代ビジネスで支配的な知財管理の仕組みとして登場した戦略的知財管理の意義とその最新事例を経産省・特許庁の報告書・事例集を参考に紹介することにします。第1に、戦略的知財管理について、知的財産(資源的基盤)価値創造メカニズム(資源活用基盤)、及び事業価値評価(評価マネジメント基盤)の動的ダイナミズムのもとで規定し、その背景としてリーマンショック後の日本ビジネスのグローバル競争力の低迷化が見られます。戦略的知財管理モデルでは、具体的には研究開発戦略、知的財産戦略、事業戦略の三位一体関係の下で、オープンイノベーション、共創的(協創的)知財管理を取り込んだ事業・技術・知財の一体的連携的知財管理の最新事例のいくつかを提示することにします。
到達目標
 従来支配的であった知財による参入障壁指向の競争的知財管理モデルに対して、オープンイノベーションを基軸とした幅広い利害関係者との連携による共創的(協創的)知財管理モデルの意義と特徴を理解し、その具体的例を説明できるようにする。

 

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回数

第4回

授業科目名

・経営と知的財産評価

・企業における財産の評価

担当者名

村山信義

授業方法

オンデマンド

授業概要

 最初に、知的財産権の評価に関連する知的財産権の性質・機能を確認します。ついで、企業の事業戦略において考えるべき知的財産戦略の基本事項について説明します。知的財産戦略を支えるための組織に関する留意事項についても触れます。次に、企業における様々な局面・目的において行われる知的財産の価値の評価の例について説明します。また、知的財産権の評価の具体的な手法について説明し、特に、特定の知的財産権の金銭評価の手法について説明します。最後に、知的財産の評価に関する現状について触れます。

到達目標  企業における知的財産の評価の考え方の概要を知り、知的財産を事業により一層活用するために確認をしておくべき事項を習得します。また、特定の知的財産権についての金銭評価の手法の概要について習得します。
 

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回数

第 5 回

授業科目名

事業性評価の本質(財務と非財務の関係性、定量評価の意義)

担当者名

高橋靖典

授業方法

オンデマンド

授業概要

 企業活動における財務情報(決算書情報)と非財務情報(決算書に表示されない情報)との関係について説明します。また、将来の企業業績(財務情報)と現在の経営要素の状況(非財務情報)の関係性を考え、事業性評価が必要とされる本質について言及します。

到達目標

 財務情報と非財務情報との関係性について理解する。企業活動の状況を把握した時に、将来の企業業績への影響を意識できるようにする。

 

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回数

第 6 回

授業科目名

事業性評価報告書の概要(事業性評価KST方式、事業性評価報告書JAECA様式)

担当者名

高橋靖典

授業方法

オンデマンド

授業概要

 事業性評価の結果をどのように表示することが利用者にとって有用性が高いのか言及します。また当振興会が推奨する事業性評価報告書様式について確認します。

到達目標

 事業性評価の実践した結果を、評価情報の利用者にとって有用となるための表示形式を理解する。

 

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回数

第7回

授業科目名

財務分析の本質、財務評価基準

担当者名

高橋靖典

授業方法

オンデマンド

授業概要

 決算書情報に基づき財務分析する時の基本的事項を確認する。また決算書情報とその背景としての経営活動の実態を理解する視点について説明する。

 事業性評価報告書JAECA様式を作成する時に使用する財務評価基準18項目について説明する。

到達目標

第1目標として財務評価基準18項目の評価を理解する。

第2目標として決算書情報に基づき、その背景にある経営活動の実態を意識できるようにする。

 

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回数

第8~9回

授業科目名

非財務評価基準36項目の考え方

担当者名

高橋靖典

授業方法

オンデマンド

授業概要

 事業性評価報告書JAECA様式を作成する時に使用する非財務評価基準36項目について説明する。また、評価項目毎の将来業績への影響について理解するための経営基礎理論について触れる。また評価項目毎の状況が、将来業績へ影響を及ぼす時間軸上のタイミングの違いについて説明する。

到達目標

第1目標として非財務評価基準36項目の評価を理解する。

第2目標として評価項目と将来業績への影響について意識できるようにする。

 

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回数

第10回

授業科目名

事業性評価士試験、報告書作成課題の説明
担当者名

高橋靖典

授業方法

オンデマンド

授業概要

 事業性評価士として認定するための課題(事業性評価報告書の作成)について説明する。

到達目標

 実際の企業について事業性評価報告書JAECA様式が作成できるようになる。

 

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回数

第 1回

授業科目名

知的資産の価値測定(DCF法)の理論と評価事例

担当者名

榊原茂樹

授業方法

オンデマンド

授業概要 リスク資産の価値測定の為の一般理論である割引キャッシュフロー(DCF)法を解説します。第1に、割り引かれるキャッシュフローの概念を説明し、第2に、将来のキャッシュフローを現時点にまで割り引くときの割引率、すなわち資本コストの概念とその計測に有用な資本資産価格モデル(CAPM)について、説明します。
到達目標  本講義を通じて、M&Aの企業価値評価、株式価値評価、投資プロジェクト評価など、広くリスク資産の価値の評価の基本的考え方の習得をめざします。

 

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回数

第2回および第3回

授業科目名

知的資産の価値測定(リアルオプション)の理論と評価事例

担当者名

榊原茂樹

授業方法

オンデマンド

授業概要 リアルオプションは、金融オプションの評価理論を金融資産以外の資産の評価に応用したものです。オプションはある物に対する選択権ですが、リアルオプション法は、例えば投資プロジェクトの評価にあたって、投資プロジェクトが生み出す将来キャッシュフローそのものを評価するだけでなく、投資プロジェクトが内包している別の選択機会(オプション)を発見・価値評価し、当該プロジェクトを総合評価する考え方です。本講義では、最初に、金融オプションの評価の考え方を説明し、次に、それをリアルオプション法として活用する方法を説明します。
到達目標 本講義を通じて、評価対象資産が内包する様々なタイプの柔軟性(成長、拡張、延期、廃棄等の別の選択機会)の価値を評価する方法を習得します。そして、特許権を評価する問題をリアルオプション法で解決することをめざします。

 

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回数

第4回、第5回および第6回

授業科目名

技術価値評価

担当者名

甲斐良隆

授業方法

オンデマンド

授業概要 企業の持続的成長を支えるのは新商品・サービスを創造する技術です。今や、技術はエンジニアだけに任せるものでなく、経営者にとって最も重要なマネジメント対象となっています。そのマネジメントの核心は技術の見える化、とりわけ金額換算です。本講義では、技術を事業化オプション(技術によって事業が可能になる)とみなすことによって価値を計算し最適な技術戦略を導出するプロセスについて解説します。
到達目標 技術は一般に専門性が高く、長年、多くの経営者にとってブラックボックスでした。しかしながら、企業の成長において技術はますます重みを持つに至り、技術開発の是非、技術の実用化タイミング等の問題は経営戦略そのものといえるようになりました。本講義により、このような局面で的確な判断が下せる能力を獲得することを目指します。

 

 

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回数

第7回および第8回

授業科目名

営業力・経営力のイノベーションの評価方法と成功事例

担当者名

木嶋 豊

授業方法

オンデマンド

授業概要  経営戦略のフレームワークを学習するとともに、それを実践に生かすための、分析力、応用力を養う。マーケティングの基礎的な学習と、それを応用した営業力の分析をおこなう。社長の経営力の評価ポイントについて、ケーススタディを基に、学習する。
到達目標 経営戦略のフレームワークを習得し、それを具体的な企業での分析ツールとして使いこなせるようにする。マーケティングを応用した営業力の評価ができるようになる。社長の経営力の評価を具体的な企業で行えるようになる。

 

 

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回数

第9回、第10回および第11回

授業科目名

事業創出に向けた事業展開についてー中小・中堅企業の事業発展を目指してー

担当者名

田上和生

授業方法

オンデマンド

授業概要

競争優位を確立する事業構築は、マーケティングに沿った基本を押さえることにある。自社の強みを、より実際的に明確にする方法を始めとして競争優位な事業構築の基本ステップを説明する。同時に我が国の産業を支える中小企業における新規事業展開の多くの事例を説明する。さらに講師自身が担当した事業展開の経験についても

具体的なお話をさせていただく。

到達目標

マーケティングの基本と事業展開における応用について実際の事例から競争力のある

事業構築について理解するとともに、企業における事業評価の要点を理解することで、中小企業の新規事業への理解と支援の能力を身に着ける。

 

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回数

第12回

授業科目名

デジタル化、DX(デジタルトランスフォーメーション)とイノベーション

担当者名

安井 肇

授業方法

オンデマンド

授業概要 DXは、コンピュータの活用を不可欠とするが、それだけではない。そもそもコンピュータの活用やネットワーク化が何をもたらしてきたのかを振り返り、次に単なるデジタル化とDXの相違について整理する。そのうえで、iPhoneやSansanを例にイノベーションと発明との関係について考察を加える。
到達目標 デジタル技術の進化は、企業経営をめぐる環境変化のスピードを加速させている。そうした時代を生き抜くうえで、事象を追いかけていくよりは本質にさかのぼった理解に努め、その応用としてイノベーションを考えていくこと、こうなったらよいとか便利であるという夢やアイデアを大切にしながら、市場の信頼を裏切らない業務運営の重要さを習得していただきたい。

 

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回数

第13回

授業科目名

金融イノベーション~歴史を振返り未来を展望する

担当者名

安井 肇

授業方法

オンデマンド

授業概要 銀行は、情報産業と言われるだけに、デジタル技術の進歩によって、大きな影響を受けながら発展してきた。その過程を1960年代から振返り、銀行サービスの変化等に与えた影響を考察する。さらに、近年のフィンテックが金融サービスに与えた影響に関して整理し、未来の銀行に期待される役割について考察する。
到達目標 銀行という伝統的な産業がコンピュータ技術や通信技術の導入を通じて、顧客の利便性を高めただけでなく、銀行員の働き方や監督行政・業態のあり方まで変化させたこと、フィンテックが銀行のサービス提供方法を変化させていることを踏まえ、他産業においても今後大きな変化を経験しうることを習得していただきたい。

 

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回数

第14回および第15回

授業科目名

半導体装置産業と企業文化

担当者名

堺澤秀行

授業方法

オンデマンド
授業概要
 半導体は「産業の米」と言われ、現代社会において必要不可欠の存在となっている。昨今の半導体不足による自動車生産の減速は、その顕著な例で、世界各国は自国での半導体生産に大きく舵を切り、外交問題にも発展している。

 本講では半導体産業の特質をご説明するとともに、講師自身が体験した異文化での業務体験を具体的にお話させて頂く。

到達目標
 半導体製造工程の概要および半導体産業の特質を理解して頂いた上で、講師自身が体験した日米の大企業・ベンチャー企業、それぞれの企業文化に触れ、企業としてあるべき姿を受講者ご自身が考察して頂きたい。